アメリカンドリームの跡
東京潜伏期間の最期の夜を過ごしている。
せっかくの東京出張だというのに雨脚が絶えず、
僕の外出意欲を容赦なくそぎ落としていったが、
シルバーウィークを仕事に費やした僕と違って
楽しい旅行中の人々の心中を思うと少し気も晴れた。
願わくば、この暗雲は明日の仕事への暗示ではなく、
システム地固めの予兆であってほしいと切に思う。
本来なら今頃、別の案件にアサインされて
米国サンフランシスコのベンチャー企業に赴き、
バリバリ暗号通貨の技術研究をする予定だった。
誤算があったとすれば、その研究開発をする
技術・能力が僕にはさっぱりなかったことだ。
くっそー、悔しい。
そもそも僕の語学力は、かつてシンガポールに
行った時も英語をほとんど使わず、基本的に
指さしという超絶原始的なジェスチャーで強引に
乗り切ったレベル。日常会話すらままならない。
それでも行けばなんとかなるとタカを括っていたが、
まさかそれ以前の問題だったとは。自分のスペックを
棚に上げてよくもまぁ応募したものだ。我ながら、
自分の図々しさにはほとほと呆れた。
今回の案件がぼちぼち終焉を迎えるのもあり、
僕の仕事に対するモチベーションをどこに向ければ
いいのか、今は若干中だるみの期間である。
どうせすぐに別の案件に駆り出されるだろうけど。
本業、ビジネス、ペーパー、不動産…
どこに注力しようか。選択肢があるのは素晴らしい。
まぁ、今週末からはしばらく会社を休むので、
そこでゆっくり今後の展望について考えたい。