縦割り組織の三叉路
社内の知り合いが、来年別の部署に異動する。
正確には、いま異動希望を出している状況で、
恐らくは希望通りの結果になるだろう。
その人は、僕の入社当時から世話に
なっていた人で、その時はリーダーとして
その辣腕を如何なく振るっていた。
しかし、僕とはタイミングが違うとはいえ、
お互い当時のプロジェクトを離任することになり、
お互い別のプロジェクトで仕事に従事することに。
僕は僕で、その当時の仕事に対して思うことは
多々あった。無理をしすぎて体調を崩し、
精神的に参っていた時期もあった。しかし、
なんとかそういった経験を乗り越え、今では
それとなく楽しく仕事をできている状態だ。
一方、その人はと言えば、未経験のプロジェクトで
未経験の作業内容で、上司の圧力にも追い込まれ、
かなり厳しい立場に立たされていたようである。
そうした中で徐々にモチベーションが下がっていき、
その勤務態度は目に見えるほど悪化し、ついには
転職活動も始めたようだ。
今でこそ転職は珍しいものではなくなったものの、
そこには背徳感・後ろめたさのような負の感情が
依然として蔓延り漂っているように思う。
その人とは今でも時々飲みに行ったりするが、
転職活動をいざしてみると、今の会社の
ありがたみもよく分かるというのだ。
腐っても大手IT企業。
そんじょそこらの中小企業へ行くよりは、
福利厚生が手厚く、知名度も高い企業に
居続けることは中々魅力的な選択肢のようだ。
そして彼は転職でなく異動という道を選んだ。
従業員数が数人レベルの企業であれば話は別だが、
ある程度以上の規模になった会社に勤めている
人なら多少分かってくれると思う。
部署が違えば会社が違う
もっと言えば、
プロジェクトが違えば会社が違う
今の待遇を手放さずに環境を変えたいなら、
異動希望を出すというのは、きっと正しい
選択肢なんだと思う。
僕が、待遇を手放さずに環境を変えるなら、
迷わずベンチャー案件に出向するけどなぁ。
僕は今でもその野望を捨て切れずにいる。