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仕事、投資、技術メモ、オカルト、その他クソミソな趣味や日常についてあれこれ綴る、日記帳というより雑記帳。忘却の彼方に置き忘れた夢と情熱を求めて彷徨中。

神様はHDDにいる

昨日のエントリーの続き。
開発環境のサーバーが死んだために、
昨日からシコシコ復旧作業を進めていた。

惨事復旧用のシステムデータは2012年のもの。
そのデータを使えば、OSやソフトウェアは
問題なく復旧が完了した。問題はその後。
仕事で使う肝心の業務データの安否である。


同業なら分かると思うが、バックアップ計画および
災害時の復旧計画というのは実に技巧的なものだ。
ストレージの容量と相談しながらどのような
バックアップの方式を取るか、開発側と相談
しながらリストアポイントをどこまで設定するか、
現実的な運用方法を見定めながら決めていく。

無論、うちのプロジェクトでも、業務データの
バックアップ方式はしっかり決まっている。
週次で完全バックアップを行い、
日次で増分バックアップを行う。
バックアップの種類は下記リンクからどぞー。


とりあえず、業務データのフルバックアップ
入っているLTOからデータの取得を試みた。
ARCserveというバックアップソフトを起動する。
オートローダーがLTOをガチャガチャ読み取り、
中身を見る…あれ、中身がない!なんで!?

…我ら復旧班の判断としては、
そもそもバックアップが失敗していたため、
LTOにはデータが1ミリも残ってません☆
という、悲劇的状況であると結論付けた。
ぶkkっころすぞてめぇぇぇええええええええ


あるべきバックアップデータが残っていない。
状況は果てしなく絶望的に思える。
ガチで心がブチ折れそうになった。

しかし、ここで諦めるわけにはいかない。
LTOにデータがカケラも残っていない中で
一縷の望みがあるとしたらそれはただ一つ。
昨日死んだHDDである。


一口に壊れた言っても、壊れ方は様々である。
ヘッドあるいはモーターの故障、はたまた
HDDの基盤が壊れているのか。ディスクは
問題なく回転するのか。全く分からない。

サーバーにはRAIDコントローラーが存在するため
HDDを読み込ませるためにはRAIDを組まなければ
ならない。しかし、RAIDを組んで論理ドライブが
作成された時点でイニシャライズが実行されるので
中身がまっさらになる可能性もある。


復元の可能性は限りなく低い。しかしゼロではない。
もう神頼みだ、分の悪い賭けは嫌いじゃない…!

祈るような思いでHDDを空きスロットに挿し込み、
サーバーを起動してエクスプローラを開く。



…見えた。

…データが見えた!
これでサルベージできる!!

うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!


データセンター内に雄叫びが響き渡った。
我々は歓喜のあまり、場合によっては職員に総出で
取り押さえられてもおかしくない錯乱状態に陥った。

こうして無事にデータの復元が完了したという。
蓋を開けてみりゃたった2日間の作業だったが、
体感的には気が遠くなるほど長い作業だった。
精神と時の部屋かよここは…


めでたく復旧作業は完了したわけだが、
あくまでこの作業は完全なるイレギュラー作業。
元々別のタスクを抱えていた中での作業なので、
当然のように自分のスケジュールが遅れていく。

帰社すると我々復旧班は惜しみなく賞賛され、
英雄然として帰ってきたにも関わらず、結局
進捗が遅れただけというムゴい結果になった。
僕以外の他のみんなは、花金と言わんばかりに
飲みに行ってるのもどうも納得がいかない。


まぁ、復旧しなかったら遅延はもっと広がった
だろうから、これはこれで良しとしよう。
(今後のバックアップ設計が課題だけど)

今夜はゆっくり眠れそうだ。