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仕事、投資、技術メモ、オカルト、その他クソミソな趣味や日常についてあれこれ綴る、日記帳というより雑記帳。忘却の彼方に置き忘れた夢と情熱を求めて彷徨中。

破滅型自虐ナルシズム

今日の午前中は、山田花子さんの本を読んだ。
(芸人の山田花子じゃないよ)


山田花子。本名・高市由美。漫画家。

「人間の暗部・残酷さ・偽善・エゴイズム」「人間関係における軋轢・抑圧・欺瞞・不条理・差別意識」「孤独と疎外」「本音と建前」など露悪的ともいえる描写で人間の善悪やモラルを問い続け、24歳の若さで自殺したことで知られる。
Wikipediaからの引用)

サブカルに詳しい人なら知っているかも知れない。
(自分は特別詳しいわけではない)

山田花子といえば自殺直前日記」という
イメージがあったが、その人の作品も読まずに
日記だけ見るのは筋が通らないと思ったので、
あわせてコミックも購入した、という次第だ。


で、漫画の中身といえば。

評判通り、意識的なガロ系タッチの作風。
スターシステムを採用した短編集である。

そしてテーマは、
普通の人なら見落としてしまうような
「無自覚に他人を傷つける言動」
「少数派を苦しめる社会の矛盾」
「何をやっても非難される現実」
「意思表示ができない心の弱さ」
などが、徹底的に救われない
ストーリーで描かれている。

彼女自身、いじめられてきた経験があるらしく
酷く生々しいリアルな描写だ。
(コミカルに描かれてはいるが…)


続けて、自殺直前日記を読む。

「重いテーマの漫画ばかりだったんだから、
 さぞ恨み言ばかり書かれているんだろう」
と読むまでは思っていた。

しかし、実際のところはもう少し複雑だ。


彼女は、自分自身が
他人とのコミュニケーションができない
社会的弱者であると認識しながらも、
誰よりも幸せになりたいと願い、
必死でもがいていた様子が伺える。

この醜い世界を生き抜くには、
彼女の心はきっと繊細過ぎた。
他人のどんな言動も被虐的にとらえ、
諦観と無力感に苛まれて生きてきた。
そのくせ人一倍プライドが高いため、
大衆に迎合できず、助けも求められない。

自分や他人を蔑む一方で、誰かが救いの手を
差し伸べてくれるのを待っているかのような、
愛憎入り混じった狂おしい想いが
そこには克明に綴られていた。


この本を読んだ感想としては、
「こういう考えの人もいたんだな」程度のものだ。
不快感も共感も特に得られなかった。

しかし、
巻末に掲載されている読者からの手紙や、
彼女の没後に寄せられたメッセージを読むと、
彼女は多くの人に愛されていたんだと思う。
彼女の存在に救われた人が大勢いたんだから。

彼女はそうは思わないのかも知れないけれど。


彼女の目に、この世界はどう映っていたんだろう。

根本敬氏に倣い、敢えて冥福は祈らない。
でも、もう叶わないけれど、できるなら
生前にお会いしたかったな。