システム開発と鵜飼いの苦悩
今日は退社時間がそこそこ遅くなった…
チームのメンバーをそれなりに早く帰せたので、それについては喜ぶべきところだ。
それにしても、どうして定時に帰れないんだ…
!!以下、業界に明るい人しか分からないかもしれないので注意!!
システム開発のプロジェクトリーダーを担当すると、冗談のようにタスクが増える増える笑
以下、リーダーのタスクを列挙する。
進捗管理
品質管理
工数管理
コスト管理
リスク管理
顧客フロント
要員フォロー
成果物レビュー
全体の方針策定
etc...
プロジェクト管理の知識体系としてはPMBOKが有名だが、
あそこまで細分化せずにざっくり挙げれば上記の通り。
システム屋さんと言えばプログラマーという連想をされがちだが、
実際のところは上記の通りの管理業務ばかりで、プログラムを書く機会はほとんどない。
もちろん入社間もない頃はプログラムを書いたりテストを実施したりしていた。
しかし、年次を重ねるにつれて管理業務を求められ、
作業者(プログラマー)になることを会社は望まない。
あくまで、優秀なプログラマーを使う側。
鵜よりも鵜飼いの方が偉い、というわけだ。
この考え方については賛否両論あるかもしれないが、
大きなSI企業の多くはこういった体制をとっている。
思うに、その理由は3つ。
①管理には技術がいるから
「管理って、結局何もしてないんでしょ?w」
と思われることもあるが、とんでもない。
プロジェクトとは、日々めまぐるしく姿を変える、生き物のようなものだ
そいつをうまく扱ってコントロールするには、専門的な高い技術が要る。
その上、感覚的な知見を問われたり、顧客や要員と良好な関係を築くためには、
高いコミュニケーション能力が求められる。
SIerという立場に立てば、プログラマーの方が100倍ラクだ。
②中抜きビジネスだから
「プログラマーという職種は人件費の安い海外に仕事を奪われるよw」
随分昔から言われていることだ。
この言説は、一部を除けば実際その通りで、
うちの会社でも海外へのオフショア発注を盛んに行っている。
いったんうちの会社で案件を受注すると、それよりも低い額で他社に発注し、
その差額が利益になる、という分かりやすいカラクリだ。
この考え方こそが「SI業界の多重請負構造」を産み出す根元になっている、
というのはまた別の話。
③単純に手を動かすのが面倒だから
「管理ばかりやってるとITの技術が身に付かないのでは?w」
こういった揶揄もよく耳にする。
この意見については、なんというか、考え方が逆。
既に技術を持っていて、やることが分かっているからこそ、
プログラミングやテストを行うのが単純に面倒なのだ。
これは管理業務を実際にするとよく分かる。
下流工程(プログラミングやテスト)ではそれほど技術は必要なく、むしろ
上流工程(要件定義や設計)にこそ技術的知識が求められる。
顧客の技術的課題を解決し、必要な技術・知識をまとめあげていく必要があるからだ。
このビジネスモデルはいつまで続くのか?
それについて警鐘を鳴らしている識者は少なくない。
情報技術は凄まじいスピードで日々進歩し、時代はSIerに変革を求めているように思う。
ほんとに、時代は変わったなぁ…
今の若い子は、テレホタイムとか知らないんだろうなぁ…