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仕事、投資、技術メモ、オカルト、その他クソミソな趣味や日常についてあれこれ綴る、日記帳というより雑記帳。忘却の彼方に置き忘れた夢と情熱を求めて彷徨中。

偽物だから消える

Amazonプライムで映画『紙の月』を見た。
『八日目の蝉』の作者である角田光代さんの
ベストセラー小説が原作だそうだ。
監督:吉田大八、主演:宮沢りえ

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以下、関連サイト・ブログをご紹介。
※リンク先はネタバレあり!


ざっくりストーリーを書くと、銀行の契約社員である
梨花宮沢りえ)が大口顧客の孫と不倫関係に陥り、
彼のために横領に手を染めていく…という感じだ。
(我ながら本当に簡単なあらすじである)

角田光代さんの本は今まで読んだことがなかったが、
この作品は一時やたらツタヤの広告で流れており、
僕の中でなんとなく見たい作品になっていた。


いざ見てみると、色々と思う所はある。
「不倫するの早すぎ」とか。
「よく警察から逃げ切れたな」とか。
「主人公の手癖の悪さは天性のもの」とか。
「2階から飛び降りて全力疾走とかマジかよ」とか。

与えることによって庇護欲を満たす梨花の善意は、
すべて誰かの犠牲の上に成り立つ善意だった。
そんなものは善意でも何でもないただのオナニーだ。
それも、とんでもなくはた迷惑な罪深きオナニーだ。
そういえば、この映画は濡れ場が多かったな…


退屈だったはずの日常は目紛るしく変わっていく。
そこで得られた幸福は仮初めの幸福であると自覚
していて、偽物だからいつか消えると分かっている。
でも彼女は自分を満たす方法をこれ以外に知らない。

梨花は、高校時点で「善行とは何か」についての
価値観が著しく歪んでいる。高校生ともなれば、
人としての倫理観も備わっていてもいいはずなのに。

救いたい人が目の前にいた時に、善悪の見境なく
盲目的な行動をとってしまうのは、周囲にとっては
迷惑以外の何物でもない。救いの手が汚れていると
知った時、その人はきっとその手を取ってくれない、
と彼女は思わないのだろうか。


いずれにしても、彼女の行動は全て否定されるべき
ものだし、ラストシーンの後味もそこそこ悪い。

しかし、映画としては非常に面白いし、素人目でも
構成や見せ方が上手い。役者の演技も素晴らしい。
何より僕は、こういう人間の鬱屈した昏い部分が
見える映画は結構好きなので、オススメである。


最後に、この作品の登場人物・隅さんのセリフが
非常に印象に残ったので書いておく。

幸せだから横領したの?
信頼してくれた人裏切って、

好き勝手にお金使って、
自由ってそういうこと?


確かに偽者かもね、お金なんて。
ただの紙だもの。

だから、お金では自由にはなれない。

…あなたが行けるのは、ここまで。


名シーンだと思った。
ご視聴されてない方は、ぜひ。

癌になったらガーンですわ

僕の友人には、ファイナンシャルプランナーとして
独立している男がいる。今日は彼と会い、
がん保険の話を聞かせてもらった。

僕はまだ三十路で、正直がん保険と言われても
その必要性についてピンときていなかったが、 
考えるきっかけになったのはこちらの記事。


保険の仕組みが複雑なのか、僕の頭が悪いのかは
定かではないが、保険というのは分かりにくい。
そもそもあまり興味がなかった僕は、自分がどんな
保険に入っていて何を保障してもらえるかもほとんど
把握していなかった。大変お恥ずかしい話である。

僕が今現在加入しているのは某国民的共済。
月々の掛金は1135円で交通災害を保障してくれるが、
補償範囲はまさしく「交通災害」の範囲のみ。
すさまじい1点集中型の保障である。マジか。
もちろん、がん保障がある共済には加入していない。


僕の友人は元々、某保険会社で営業経験があったが、
営利目的すぎる保険営業、加入者のためにならない
商品の多さに嫌気がさしたために独立した男である。
当然「いい保険商品」に関する知識は非常に豊富だ。
そんじょそこらの外交員とはワケが違うのである。

僕はもう既に団体信用生命保険に加入しているし、
死亡時や寝たきりになった時の対策は万全。なので、
今回検討したのは医療保険(主にがん保険)であり、
医療保険にがん特約も付けた形で加入した。
安い掛金と充実した保障が特徴の「新CURE」である。


今回はがん保険に関する話がメインだったので、
がんに関する保証が手厚いこの商品は魅力的だった。
今のところ、自分ががんになったときの事など想像も
つかないし、周りにがんになった人もいないから
どうなるやらという感じだが、備えあれば憂いなし。

ちなみに、三大疾病と言われてる

について、日本人の罹患率はこんな感じ。

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※三大疾病のイメージ


三大疾病の中でもがんの罹患率は特に高いらしい。
日本人の2人に1人は発症するとかなんとか…

もうこの数値を見ると、どれだけ健康に気を付けても
なる時はなるんだろうなぁと思うので、三大疾病の
特約は入っておくことに越したことはない…
(拡張版の七大疾病についてはいったん検討中)


がんにも心筋梗塞にもなりたくない…
でも一番いやなのは寝たきりだなぁ…

僕はそんな不安や恐怖を脳裏に駆け巡らせながら、
今日も酒を飲んで煙草を吸って寝ることにした。

袖振り合うも多生の縁

今日は友人の結婚披露宴だった。

もう既に親族のみで挙式は執り行ったらしく、
日をずらして披露宴を設けてくれたのである。


彼は大学時代からの僕の数少ない友人の一人で、
大学卒業後も何かと付き合いのある人間だ。
京都に引っ越した祝いに飲みに行ったり、
婚活パーティーの帰りに飲みに行ったり、
あとはまぁ、ただ普通に飲みに行ったり、
要するにただの飲み友達である。

我々は大学で数学という高尚な学問を共に学び、
お互い切磋琢磨して崇高な精神を築き上げた。
というのは嘘で、僕は彼には世話になりっぱなしで
試験前は彼の家に無理矢理おしかけ、夜もすがら
試験内容を隅から隅までご指南いただいた。
僕が大学・大学院時代を平穏に過ごすにあたって
大変重要な人物であった。

修士課程を修了した後すぐに就職した僕とは違い、
彼は通常3年かかる博士課程を2年で修了し、
その後は日本学術振興会の特別研究員として
京都大学で数学の研究に傾倒。アメリカやら
インドやら世界各国を飛び回っては学会に参加し、
今では助教というポジションをすっ飛ばして
某国立大学に講師として勤務している、
僕からすれば完全な数学エリートである。


大学時代から何かと話が合い、馬が合い、
よく分からないけど飲みに行く数奇な縁。

そんな奴の晴れ舞台である。
何やら感慨深いものがあった。

僕は基本的に人の結婚式やらに呼ばれるのは嫌いで、
なるべく呼ばれないように徹するスタンスだが、
(詳しくは僕の過去のエントリー参照)
今回はあまり倦怠感もなく、普通に参加して
普通に楽しかったし普通に祝福した。


同席した大学の同期達も、どうやらほとんど
結婚しており、中には既に子供もいた。
(僕らの年次からすれば割と普通の事だけど)
僕もそろそろ真剣に考えないといけない…

とりあえず、大学時代から社会人時代まで、
色々と世話になった数学エリートの彼に、
心からの祝福の言葉と、これからもよろしくと
伝えたい。本当におめでとう。

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永遠に幸あれ。

囚われの身のお姫様

昨日、友人の紹介でとんでもない
人物と会わせていただいた。

若き日からビジネスプロデューサーとして
現場の第一線で様々なビジネスを手掛けており、
聞けば聞くほど悍ましい経歴の持ち主だった。

ドバイ、ニュージーランド、東南アジア諸国など
多様な渡航歴を持つと同時に2度の逮捕歴も持つ。
今では自動車転売とFX(バイナリー)で生計を
立てているようだ。早く本書いてくれないかな。
ソッコー買うのに。


自動車転売にも大変興味があるが、とりあえず
僕もFXを本格的に開始することにした。
どうやら下期のメインの投資はFXで決まりだ。
さっさと実績を上げられるように頑張ろうと思う。
MT4の操作やEAの追加もある程度わかるし。

FXでも株でもなんでもそうだけど、
投資を始めるにあたって必ず必要になるものが
資金である。差し当たり僕は、あるツテで以前
購入した暗号通貨「Ethreum(イーサリアム)」を
現金化しようと思い、さっそく手続きを試みる。

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…あれ?なぜか取引所に入金できない。
Krakenという取引所で入金しようと思うと、
なぜか「あなたの持ち金は0.0 ETHですw」
と表示されてしまう。…なんで?

まさか、騙された?パチモン掴まされたのか?
僕はこの時点でかなり焦っており、
あの手この手を使って調べまくった。

どうやら、現在EthereumのP2Pスタンダード
クライアントである「GETH」がDos攻撃
受けており、その影響でPoloniex、Kraken、
Coinbaseといった主要取引所がEthereumの
入出金を制限しているらしい。


なんということだ。クラッカーからのアタックを
受けているのは知っていたが、まさか取引所への
入金が出来なくなってしまっているとは…!
非常に困った。Ethereumを換金できない。

下記サイトで確認する限り、僕の手元にある
ブロックチェーンのデータは生きているようだが…


誰か、僕のEthereumを買い取ってくれませんか?
1,910 ETHありますが、300万円でいいですよw


仄暗いAmazonプライムの底から

そして何事もなかったかのように
2016年の下期が始まってしまった。
そして初っ端から深夜残業という罠。
大丈夫なのか、なんだか幸先が悪い…


今更だけど、Amazonプライムは凄い。
年額3,900円で映画を見放題とは。

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とりあえず、『仄暗い水の底から』を見てみた。
原作:鈴木光司、監督:中田秀夫、主演:黒木瞳
ジャパニーズホラー映画の傑作である。

映画の詳細については、別の人がブログで
しっかり書かれているので、そちらへどぞー

(※ネタバレあり)

僕は無類のオカルト好きであると同時に、
無類の怖がり屋さんなのである。
これを部屋で見ていた時も、クッションで
顔を半分覆いながら半べそをかいて見た。
好きといっても怖いものは怖いのだ。

邦画ホラーの、このなんとも言えない
陰気でおどろおどろしい雰囲気というものは、
本当に何回見ても慣れることがない。
ホラーシーンを見終えた後の
小休止タイムの安堵感は異常。

かの有名な『リング』と原作者が同じだけど、
恐怖度は『リング』よりも控えめに感じられた。
そして、『リング』も大概救えないオチだけど、
この映画もある意味救えない話だ。
母親も娘も、そして水の底の少女も、
悲しくて切なくて、少し目頭が熱くなった。

とりあえず、僕はこういった批評には向いてない。
大した感想は書けないが、まだご覧になってない方は
ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょう。

ではでは。ママー。

秋の夜長に

今日で2016年度上期も終わり。
月並みなことを言うがホントあっという間。

色々と課題は残ってはいるものの、
上期案件の検収も上がったことだし
とりあえずはめでたしめでたし。


せっかくなので、上期を振り返ってみる。

本業の方は相も変わらずクソ忙しく、
技術的にも精神的にもメキメキ鍛えられた。
仕事に対して物凄く思い入れがあるわけでもないが、
僕はこの忙しい現実がそれほど嫌いではないようだ。

どれだけビジネスや投資に精を出すと言っても、
今の所、本業をおざなりにするつもりは毛頭ない。
深夜残業だろうが休日出勤だろうがかかってこい、
呪詛の言葉を吐きながらでもやり切って見せよう。

なお、米国のベンチャー起業へ出向し、
暗号通貨のような新しい技術を習得する計画は
失意のうちに頓挫してしまったが、出向案件自体は
社内にいくつかあって、まだチャンスはある。
全てを諦めるには、まだ早すぎるだろ?
下期も虎視眈々と狙っていきたい。


それから、本業以外の話。

株式投資、FX、バイナリー、暗号通貨、不動産、
遺伝子ビジネス、転売ビジネス、貿易ビジネス、
この上期は様々な案件に関わることができたが、
メインとなる投資案件はまだ見つかっていない。
(不動産投資以外は)
この辺は今後もしっかり習得していく必要がある。

暗号通貨をどのタイミングで売り払うか、
どの投資に今後資金と時間を注力していくか、
よーく考えて即座に行動に移したいところだ。


下期の目標について、ざっくり書く。

  • 業務で必要な知識の見聞広め
  • ベンチャー案件への出向
  • 暗号通貨の技術習得
  • 投資用自動売買システムの構築
  • 構想段階にあるWEBサービスの構築
  • 投資案件で月収30万円
  • 転売案件で月収20万円
  • 自分で確定申告する
  • 今の彼女と結婚する


終盤、なんか自分の欲求が入り混じった
気もするが、とりあえず書いたモン勝ちだ。

さらば長月、いざゆかん神無月。
気持ちを新たにして下期を迎えたい。

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ゴッド・ブレス・ユー

今日は早めに仕事が終わったため、
連れの女の子と寿司屋にいった。

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有名なのかどうかは知らんが、寿司屋の
「いっちょう」というお店で、安くて旨い。
今日は彼女の退職記念日だったため、
なぜか「それなら寿司でも食いに行くか」
という流れになったのである。


彼女はとても晴れやかな顔をしていた。
僕もいつか会社をやめる時がきたとしたら、
こんな開放的な気持ちになるんだろうか?


そういえば、最近はあまり見ないけど、以前
「レールに沿ったつまらない人生はもう嫌だ」
と言って大学を中退して起業した若者の記事が
ホッテントリとしてバズられていた。


はてなの文化なのかなんなのかは知らないが、
誰かのバズエントリーについて言及する記事が
多数見受けられた。当然、記事の中には好意的な
意見のみでなく、批判的なものも少なくない。

分からないでもない。実際に上記の記事を
読んでもらえれば分かるが、記事の中では
「なにも考えずに生きてるような人たちと
 同じ人生を歩むなんてありえない。」
などと、大衆に喧嘩を売っているとも取れる言葉を
使っているため、そうなれば売り言葉に買い言葉だ。
当然こうなる。


僕の、この記事とそれへの言及記事に対する感想。
「憧れの人や近しい人間の生き様ならいざ知らず、
 縁遠い人の生き様など僕にはまったく興味ないし、
 他人の選択に他人が口を挟むべきではない」
その程度の安い感想しか持てないのが正直なところ。
いいじゃん、そっと見守っといてあげれば。

やいやい周りが囃し立てるのは、はてなの問題でなく
純粋に日本人の国民性に問題があるのかも知れんが。
他所の国でも、こういう冒険心溢れる若者に対して
これほど苛烈で批判的なものなのだろうか。

好きな記事、参考になった記事、応援したい記事
ならまだ分かるが、記事への批判的な内容を書いて
無駄にエネルギーを消費することはないだろうに。
本当になんなんだろう、この浅ましい文化は。


綺麗事を言うつもりはないから別に応援もしないが、
悩んだ末に自分で決断を下したのであれば、後は
自分の信じた道を黙って歩いてくれればそれでいい。
たぶんリスクも批判も織り込み済みなんだろうし。
縁遠い彼の歩みが止まらないことを少しだけ祈ろう。

僕も昔は似たようなこと書いてたし。

彼に対して思うことがあるとすれば、
「ブログを収益化できてて羨ましい」
ということぐらいだ。いやガチで。
なんやかんやと、結局自分も無駄な
エネルギーを使ってしまっている…

逢魔が辻

前回のエントリー以降、更新が滞ってしまった。
祈るような思いで東京潜伏期間最後の夜を過ごし、
翌日システムのサービスインを迎えたわけだが、
案の定不具合がぽこぽこ顔を出したため、
深夜に及ぶまで対応に追われていたわけである。
無論、ゆっくり休みなど取れていない。


思えば、工程が変わるたびに上司に
騙し続けられていた気がする。

(去年の夏頃)
上司「UTが終わった後のITはラクになるから」
ぼく「わかりました」
  ※UT…単体テスト工程、IT…結合テスト工程
結果、テストケース作成およびIT推進のための
手順作成に追われ、忙殺される。
しまいには中国へ出張へ駆り出される。

(去年の冬頃)
上司「ITが終わった後のSTはラクになるから」
ぼく「わかりました」
  ※ST…システムテスト工程
結果、アプリとはおよそ関係のないインフラ周りの
面倒を見させられ、忙殺される。
気付けば予定していた休暇も消失する。

(最近)
上司「STが終わった後の移行準備はラクなるから」
ぼく「…ほんとでしょうね」
   ※移行準備…本番直前の準備作業
結果、直前であるにも関わらず、移行準備が
ほとんどできていないことが発覚。
準備と課題対応に追われて忙殺される。

今日日、バリバリのウォーターフォール


そしてリリース作業後も、不具合対応に追われる。

あれ、なにこれ。ブラックじゃね?
忙殺忙殺って、いったい何機死んでるんだ。

今の対応が終わったとしても、下期以降も
大型案件が控えているため、この先ラクに
なっていくことはきっとないだろう。
はて、ゆっくりできるのは一体いつになるやら…


そういえば、2件目として購入した民泊用不動産の
収入が今日入ってきた。分かってはいたけど
なかなか嬉しいものだ。心配なのは、僕自身の
ずさんな収支管理くらいのものだ。

思えば、以前の僕であれば1~2万円程度の収支ですら
心が揺れていたように思うが、投資やビジネスに
手を染め始めてからというもの、10~50万円くらいの
収支ではビクともしなくなってきた。

扱う額が大きくなってきたのは、着実に自分の器も
成長してきているからではないかと思っている。
無駄遣いについては今でも100円単位でケチるけど。
月々の給与所得も非常に大事にしているけど。

かつてからの草の根運動?が実を結び始め、
僕としてもある程度の選択肢が持てるように
なってきたかなぁというのが最近の所感。

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冒頭では今の仕事のことを面白可笑しく
ディスってしまったが、なんやかんやと
仕事は楽しいし、満足もしている。

自分の人生のこれからについては、
もう少し検討してから決断していきたい。

アメリカンドリームの跡

東京潜伏期間の最期の夜を過ごしている。
せっかくの東京出張だというのに雨脚が絶えず、
僕の外出意欲を容赦なくそぎ落としていったが、
シルバーウィークを仕事に費やした僕と違って
楽しい旅行中の人々の心中を思うと少し気も晴れた。

願わくば、この暗雲は明日の仕事への暗示ではなく、
システム地固めの予兆であってほしいと切に思う。


本来なら今頃、別の案件にアサインされて
米国サンフランシスコのベンチャー企業に赴き、
バリバリ暗号通貨の技術研究をする予定だった。

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誤算があったとすれば、その研究開発をする
技術・能力が僕にはさっぱりなかったことだ。
くっそー、悔しい。

そもそも僕の語学力は、かつてシンガポール
行った時も英語をほとんど使わず、基本的に
指さしという超絶原始的なジェスチャーで強引に
乗り切ったレベル。日常会話すらままならない。

それでも行けばなんとかなるとタカを括っていたが、
まさかそれ以前の問題だったとは。自分のスペックを
棚に上げてよくもまぁ応募したものだ。我ながら、
自分の図々しさにはほとほと呆れた。


今回の案件がぼちぼち終焉を迎えるのもあり、
僕の仕事に対するモチベーションをどこに向ければ
いいのか、今は若干中だるみの期間である。
どうせすぐに別の案件に駆り出されるだろうけど。

本業、ビジネス、ペーパー、不動産…
どこに注力しようか。選択肢があるのは素晴らしい。
まぁ、今週末からはしばらく会社を休むので、
そこでゆっくり今後の展望について考えたい。

長き流転の物語終局

昨年の初夏頃から参画していた案件が、
もうじきめでたくカットオーバー(運用開始)。
感無量。万感胸に迫るというものだ。

大型規模の案件という事もあり、長い戦いだった。
思い起こせば色々なことがあったなぁ…

現行のシステムの糞さ加減に嫌気がさしたり、
深夜残業やタクシー帰りを余儀なくされたり、
なぜかインフラ関連作業を押し付けられたり、
プロジェクトの半ばで何人か死者*1が出たり、
忙殺されてる中で別の案件の作業を振られたり、
何度となく客先のマシン室へ出向いて疲弊したり、
出張先の中国大連の空気の悪さに体調を崩したり、
ってあれ。トラウマだらけじゃん。ああつらかった。


こういう風に書いてしまうと犬も食わないような
愚痴にしかならないので、よかったことも書く。

まずはチームのメンバー。

今回の案件では僕はリーダーの立ち位置ではなく、
ただのイチ要因としてアサインされたわけだが、
チーム内のメンバーはみんな本当に優秀で、
僕が行き詰った時は何度も助けてもらった。

チームを統括していたマネージャーも有能で、
残業が慢性化することもなく、比較的穏やかな
稼働時間だったように思う。これもひとえに
マネージャーの手腕のなせる業だろう。
追い込みの時は本当にきつかったけど。


それから、僕の成長という観点から。

僕は基本的にアプリエンジニアという立ち位置だが、
今回の案件では、現行の古い言語から脱却し、
新しい言語を学ぶきっかけになった。

「言語の書き方なんて、どれも似たようなもんだ」
という言説もあるがそれについては意義を唱えたい。
COBOLJAVAの書き方は一緒だろうか?
VB6とVB.NETの書き方は一緒だろうか?
僕は今回、仕事を通してそれを嫌というほど味わった。

また、アプリ以外の部分、例えばデータベースや
ネットワーク周辺の仕事に携われたのもよかった。
エンジニアたるもの、やはりインフラ周りにも
強くなければならないのである。

それに、プロジェクトの推進方法や管理手法、
顧客との調整事やお作法について、今回のような
大型案件で学べたのは大きい収穫だったと思う。
優秀な人間を間近で見てそのやり方を学べるのは、
いい環境だったのではないかと思う。


最後に、仕事に対する考え方について。

僕は基本的に愛社精神などという殊勝なものは
カケラも持ち合わせておらず、つま先から
頭のてっぺんまで自分本位の人間である。
仮に、明日から会社がなくなったとしても
僕はそれほど困らないし嘆きも悲しみもない。

それでも僕は、一つの大きな目標に向けて
仕事を成し遂げる仕事の楽しさを感じた。
(もちろん不満や苦悩も大いに感じたが)

会社員というのは交換可能なコマとして
扱われがちだし、その認識に僕も齟齬はない。
しかし、それが例え刹那的な需要だったとしても、
自分の能力が必要とされ、期待を寄せられ、
それに応えることができる環境というものは
素晴らしいものだと感じることができた。

現状の不満をただ嘆くばかりの人間のつまらなさ、
浅ましさを今回の1件で垣間見ることができたし、
どんな仕事でもやりがいは確かにそこにあって、
楽しみながら邁進できるものだということを
感じるのには十分な時間だった。


さてさて。

今回の案件は、現行の古い基盤を丸ごと刷新し、
新しい基盤へ移し替えるというものだ。
これだけ丹精を込めて作り上げたシステムだ。
今よりもずっと良くなってくれていると思う。

そんなことを今、東京の潜伏先で考えている。
このシルバーウィークを惜しみなく出勤して作業し、
完了した今は何とも言えない倦怠感に包まれている。

連休明けにカットオーバー(運用開始)を迎える。
感無量と言うよりも、実は戦々恐々としている。
そっちのほうが事実。一体どうなることやら。

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(「おそ松さん」より)

*1:ほんとに死んだわけではない